検品基準
ピンホール
素焼きをしたとき素地に残った空気や、有機物(ホコリなど)が、焼成後に小さな穴として残る場合があり、その小さな穴をピンホールといいます。
一般的には良品扱いとなりますが、当店では表面では2mm以上、裏面では3~4mm以上の目立つものは不良品として判断しています。
鉄粉
陶器を焼く際に、陶土にもともと含まれている鉄分が窯の中で焼かれることによって酸化し、それが黒点となって器の表面に出ている状態が鉄粉です。
一般的には良品扱いとなりますが、当店では表面では2mm以上、裏面では3~4mm以上の目立つものは不良品として判断しています。
色ムラ/焼きムラ/釉薬溜まり
釉薬は、手作業でひとつひとつ丁寧にかけられているため、釉薬のかかり方が均一でない場合があり、色合いにムラがでます。
焼成の際も、窯の焼く場所によって温度が異なるため、焼き方にムラがでます。いずれにおいても、昔からうつわの「景色」として鑑賞の対象とされているため、基本的には良品として扱っています。
貫入/ヒビ
陶磁器の表面に入る模様のようなヒビのことを貫入といいます。
貫入は模様として出す場合と、経年貫入といってうつわを使い続けているうちに自然に貫入が入ることもあります。
いずれも貫入が入り、使っているうちに変化していくことをうつわの表情としていますので、良品として判断しております。※貫入をあまり入れたくない場合は目止めを行っていただくと良いです。
ヒビが裏面まで入っているもの、爪で触ると引っ掛かりがあるものは不良品としております。
フチや裏面は2~4mm程度のヒビがあってもその上から釉薬がかかって焼きしまってる場合、作風などによって良品にするものもあります。
にじみ・かすれ
印花や印判手、染付などでうつわに模様や絵付けを施す際に、作業時の力のかかり具合や焼成時の要因などにより、生じる、にじみや、かすれ、ずれなどを指します。
かすれや濃淡がある方がうつわの表情が豊かになることもあり、あえて出す場合が多くあり、これらは基本的に良品として扱っています。
釉薬はね・たれ
絵付けや染付は、職人さんや作家さんが一つずつ筆で丁寧に書き込んでいきます。
そのため、釉薬がはねてしまったり垂れてしまったりする場合がありますが、表面1㎜程度のものは許容とし、良品として扱っております。
成形のゆがみ/がたつき
うつわは、ろくろや、手で練り上げたり、型を使って成形していきます。
いずれも伝統的で、人の手を使って成形するため、出来上がったものの形が、完全な丸でなかったり、高さや大きさが少し違っていたりと1点ずつ異なります。
ある程度のゆらぎは、うつわがもつ個性として良品判断としていますが、あまりにも個体差が大きいものは不良品としています。
高台のガタつき
うつわを置いたときに、釉薬のたまりや、高台の素地の状態、製造方法によって、少しガタつく場合がございます。
ガタつきの大きいものは不良品として扱いますが、普通に置いた状態で目立たないものは、良品として取り扱っております。
もしガタつきが気になる場合は、砥石や粗目の紙やすりなどで削っていただくときれいにお使いいただけます。
線キズ・擦れキズ
うつわの種類によっては透明なガラス質の釉薬がかかっているため、表面に傷がつきやすくなっています。
大きく目立たないものは良品としていますが、うつわの表面に縦横いずれか、5mm以上ある線キズや擦れキズについては不良品として扱っております。
ヒビ・欠け
ヒビは、素地(裏)にまで侵食しているもので2㎜以上あるものは、破損の恐れがなくとも、不良品として扱っています。
欠けは、3㎜以上あるものは不良品とし判断しており、高台の欠けも5mm以上あり、引っ掛かりがある、使用に問題が出るものは不良品として扱っております。
ブク(水泡)
釉薬がはじけたような穴をブク(水泡)といいます。
ピンホールと似ていますが、釉薬がかかっているところに出るのが特徴です。3mm以上のものは不良品として扱っております。
釉薬はがれ
表面に2mm以上あるもの、または裏面に5mm以上あるものは不良品として扱っております。
付着物・突起物
表面に小さな塵や石が付着して突起物になっている場合があります。
3mm以上あるものは不良品として扱っております。もし気になる場合は、砥石や紙やすりで削って目立たなくすることができます。