店頭で器をご案内していると、お客様からよくこんなお声をいただきます。
「陶器のグラスで飲むと、ガラスよりもなんだか冷たくて、美味しく感じるのよね」
なるほど、確かにそんな気がします。
……でも、本当にそうなのでしょうか?
気になったら試さずにはいられないのが私の性分。
先日、実際に「温度の実験」をしてみました。
用意したのは、200mlの水と、5個の氷。
それぞれガラスと陶器のグラスに投入してスタートです。

初期温度は、ガラスが5度、陶器が4.5度。
おっ、スタート時は若干ですが陶器の方が冷たいですね。
そして5分後。
氷が完全に溶けきったタイミングで計測すると、どちらも「4度」に。
ここまでは互角の戦いです。
さらにそのまま部屋に放置して15分後。
運命の測定結果は……
ガラスが4.5度、陶器が5度。
「……あれ? 陶器の方が温度が上がっているぞ?」

そうなのです。
冷たさが長く持続すると思いきや、数値上はむしろガラスの方がわずかに冷たさをキープしていました。
おまけに、その状態で両方を手に持ってみると、なんならガラスのグラスの方が圧倒的に「ヒヤッ」と冷たく感じるではありませんか。
「冷たさが長持ちするというのは、気のせいだったの……?」
一瞬、目の前が暗くなる。
しかし、ここからが人間の感覚の面白いところでした。
調べてみると、手に持った瞬間にガラスの方が冷たく感じたのは、物理的に正解でした。
ガラスは「熱を伝えやすい」性質があるため、触れた瞬間に手の体温を一気に奪います。だから手や指のセンサーが「冷たい!」と強く反応するのです。
では、なぜ私たちは「陶器の方が冷たくて美味しい」と感じてしまうのでしょうか?
鍵を握るのは、口に触れる「口当たり」と「視覚」でした。
ガラスのグラスは冷たさがダイレクトに手に伝わる反面、表面に大量の結露(水滴)が発生します。
手がびしょびしょになるあの感覚が、無意識のうちに快適さを損なっていたりします。 一方で陶器は、表面に結露が出にくく、手に持ったときもじんわりと優しい温度感です。
そしていざ飲む瞬間。
陶器のぽってりとした滑らかな口当たり、あるいは土物特有の心地よいザラざら感が唇に触れたとき、脳はガラスとは違う「まろやかさ」や「コク」を感知します。
この「手は濡れずに快適」「口当たりが最高に心地いい」という五感の満足度が、脳の中で「冷たくて美味しい!」という極上の体験に変換されていたのです。

つまり、数値としての温度ではなく、「人間が美味しく感じる五感の魔法」においては、陶器のグラスが大勝利を収めていた、というわけですね。
物理的な数値を超えて、人の心を「美味しい」で満たしてくれる陶器のグラス。
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